皆さんは、「人生で初めて触れた○○」ということを覚えているだろうか。
人生とは経験の連続である。様々な経験から、人は人生において必要なものを取捨選択していくのだ。
昔のことをすっかり忘れてしまう、ということもおかしなことではない。
では、初めて触れたゲームは何だったか。
そう言われると、意外と思い出せなかったりもする。
もしかすると、幼い頃かもしれないし、成人してからゲームを遊びました! という方もいるかもしれない。年代にもよるだろうし、家庭環境によっても変化するとも思う。
第0回でも触れたが、私の場合は幼い頃からゲームをしていた。
yanyantukeboono.hatenablog.com
初めに触れたのは、多分、GB版『倉庫番』であった。ざっくりとしかルールはわからなかったが、わからないなりに楽しく遊ぶことが出来た。
※名前の通り、箱を倉庫内の指定された場所に動かすパズルゲーム。ステージをクリア時の「ヤッター!」というボイスが印象的。何故かややこしい収納場所を選ぶが、責任者はどこのどいつなんだ。
私と姉と『ときめきメモリアル』
また、姉もゲームをやっていた。スーパーファミコン版『ときめきメモリアル』(以下、『ときメモ』と略す) であった。
当時は『ときメモ』が昨今でいうところの「ギャルゲー」 (男性向け恋愛ゲームを指す言葉として用いられることが多い。同様に、女性向け恋愛ゲームは「乙女ゲー」と呼ばれる) であることは知らず、「女の子がやるゲーム」と思っていた。
『ときめきメモリアル』とは?
・コナミから発売された恋愛シミュレーションゲーム。
・主人公は「きらめき高校」(シリーズによって高校は異なる) に入学した高校生。
・3年間の学校生活で様々な能力を鍛えながら、女の子とデートを重ね、卒業式の日に告白してもらうことが目標。
・攻略対象が男性の乙女ゲー『Girl's Side』というシリーズも展開されている。
※私の中でのギャルゲーは今でも『ときメモ』。ラスボスこと、藤崎詩織の「一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし」という台詞が有名。藤崎さん、幼馴染みに対して辛辣すぎでは?
そんなこともあり、私は姉が恋愛テクニックを駆使して進める『ときメモ』を隣でよく観ていた。ときにトレーニングや勉強を重ねて努力し続ける主人公を見て、私は幼いながらに「女の子にモテるって大変なんだなぁ……」と感じたのを覚えている。
ときめきメモリアル Girls Side 3rd Story
- 出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント
- 発売日: 2010/06/24
- メディア: Video Game
- 購入: 64人 クリック: 1,178回
- この商品を含むブログ (106件) を見る
ときめきメモリアル Girl's Side 2nd Season
- 出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント
- 発売日: 2008/02/14
- メディア: Video Game
- 購入: 16人 クリック: 166回
- この商品を含むブログ (141件) を見る
ときめきメモリアル Girl's Side 1st Love Plus
- 出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント
- 発売日: 2009/03/12
- メディア: Video Game
- 購入: 15人 クリック: 103回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
ゲームの彼女と現実の空しさ
私が本格的に『ときメモ』をプレイしたのは、高校生くらいのときであった。当時、ゲーム実況動画で『ときメモ』に再びハマったため、プレイし始めることとなった。しっかりとやったのは、PS版 (ゲームアーカイブスにて配信中!) である。
ギャルゲーは初見ということもあり、実際にプレイするとその難しさに驚かされた。
まず、ある程度ステータスを磨かないと相手にすらされない。こういうゲームは大抵すぐにモテるイメージがあったが、そんなことはなかった。さらに、身だしなみがあまりに酷いとデート当日に中止になったりもする。ゲームであれ、人としての最低限度の身だしなみは必要なのだ。
しかし、慣れてくるとステータスを毎日磨きながら気になるあの子をデートに誘うことも慣れてくる (途中から「ここまでデートしてるなら付き合ってるのと同義では?」とか思うが気にしない)。
合間を縫って、好きな女の子が気に入りそうなデートスポットの確認をしたり、好きな物の情報収集も大切である。
こうした単純作業が中々に楽しい。時折聞く、「デートの流れを考えることも楽しい」というのはこういう感じに近いのかもしれない。どうなのか知らんが。
しかしながら、調子に乗ってあまり沢山の女の子を侍らせていると、「爆弾」がつき始める。これは好感度の高い女の子につき、その後もデートなどをせずに放置して爆発させてしまうと、女の子たちにあらぬ噂をばらまいて全員からの好感度を下げる地雷系女子と化してしまう。
そのため、爆弾には気をつけないとならない。デートをしたこともないのに、好感度が高くなって爆弾を抱える女の子 (「ボマー」や「爆弾魔」とも呼ばれる) もいるので、細心の注意を払う必要がある。
片思いをすることは素敵なことだと思うが、逆恨みをするのはあまりに理不尽では……?
このように爆弾処理を上手く行いながら、気がある子とのデートを重ね、無事に伝説の木の下で告白を受けたのだが、クリアした私に残されたのは達成感と少しの虚無感であった。
ゲームの主人公である私は、努力を重ねて無事に彼女と結ばれた。
しかしながら、現実の私はどうだろう。
モテるための努力を怠り、女の子に積極的に声をかけることもせず、何が「彼女が欲しい」だろうか。彼女が欲しいと望むのならば、それ相応の努力のするべきではないか。
そう示された気がして、少しだけ空しさを感じてしまったのだ。
ちなみに、私の推しは「伊集院レイ」と「館林見晴」である (実のところ、館林さんのエンディングは一度も観られていないが……)。詳細はネタバレになるので控えることとする。
『ときメモ』から学んだ恋愛知識
私は『キミキス』や『アマガミ』など、他のギャルゲーをやったことが無いのでギャルゲーの知識は富んでいるとはいえない。また実際の恋愛経験が全く無い男であるため、私にとっての恋愛スキルは『ときメモ』しかない。
そのため、私にとっての恋愛知識=『ときメモ』 ともいえるだろう。しかし、このゲームから少なからず、恋愛について考える機会は出来た。
恋愛において、「自分を磨く」ということを決して忘れてはいけない。モテたいと望むのならば、外面には気を遣って、相手の理想に近づく努力をしながら、内面を磨くことも必要となる。ときに、積極的に自分の想いを伝えることが大切なのだろう。また、プレゼントを贈るときはしっかりとリサーチしなければ痛い目を見る、ということを学んだ。
『ときメモ』は、まさしく恋愛を「シミュレート」出来るゲームなのかもしれない。
そして、もう一つ『ときメモ』から学んだことといえば、「男の子は、女の子の気持ちを意外とわからない」ということだろう。
残念ながら、これらの知識が生かされる日が来るかはどうかは不明であるが。