ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

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騙し、暴き、生き残れ。繰り返される『グノーシア』の世界で

もし、貴方の友人と全く同じ見た目をした未知なる敵が紛れ込んでいたら、貴方はその友人が敵であると証明出来るだろうか。

 

そして、貴方自身も人間であると証明出来るだろうか。

 

貴方は人間?人類の敵?それとも…。

 

このゲームの目的は、宇宙船の中に紛れ込んだ「グノーシア」と呼ばれる人類の敵を見つけ出して排除することを目標としている。

 

「グノーシア」は人間のふりをして、人間を消滅させる。そんな危険な敵を排除することは当然だろう。……と、言いたいところだがちょっと待って頂きたい。その「グノーシア」は貴方自身かもしれない

 

ここまで紹介して何なのだが、是非とも本作のPVを見て頂きたい。

 

youtu.be

d-mebius.com

 

 

 

PVを見てくださった方にはわかると思うが、本作は所謂、「人狼」を一人でもプレイできるように構成されたゲームである。自分以外の登場人物たちも嘘をつき、主人公を欺こうとすることもあれば、共同戦線を組むこともある。そんな中で如何にして敵を排除し、生き残るかを考えることが大切だ。

 

一回のプレイは15分程度で非常にお手軽に進められ、各役職も交換されるため、プレイ毎に新鮮な気持ちでゲームを進めることが出来る。

 

また、「直感」や「演技力」などのステータスも存在しており、ループを重ね、ステータスを高めていくことで議論を有利に進めることが出来る。このため、本作は人狼自体が苦手だよ!という方にも自然とコツが掴みやすくなっており、人狼の入門編としてもオススメしたい。

 

ただし、リアルな人狼でも使えるテクニックが、一部のスキルが解放されないと使用できないこともあるため、寧ろリアル人狼プレイヤーの方がヤキモキしてしまうかもしれない。実際、私自身も反論や役職公開のタイミングがある程度固定されていてモヤモヤすることもあった。

 

また、自分以外がNPCということもあり、明らかに怪しい人物をスルーして自分に大量投票されるなど、本作独自の立ち回りを要求されることも少なくない。

 

しかしながら、それらの行動にも登場人物毎の「性格」が関わっているなどの良さにも直結する部分でもあるのだ。

 

また、「SF×人狼」という面白い組み合わせの本作では、SFとしての良さも遺憾なく発揮されている。コールドスリープや電脳化など、SF作品で聞くような用語も多数関係している。

 

「グノーシア」が人間を消滅させる理由は何か?それぞれの登場人物に隠された秘密は?人の魂とは何なのか?

 

そんなSFらしい重厚なテーマも味わい尽くせる本作は、ただの一人用人狼ゲームだけではなく、ストーリーにも引き込まれていく魅力がある。

 

ループされる騙し合いの果てに、どんな真実が待ち受けているのか。その真相は、貴方自身が見つけて欲しい。

 

気になる方は、PS Vita専用という少し敷居が高いプラットフォームであるが、是非触れてみていただきたい一作だ。

 

store.playstation.com

 

 ※2020年4/18追記

遅ればせながら、Switchにて「グノーシア」がバージョンアップして移植されるとのことが発表されました!! 4/30日発売予定です!

グノーシア - Switch

 

グノーシア|オンラインコード版

グノーシア|オンラインコード版

  • 発売日: 2020/06/02
  • メディア: Software Download
 

 

ここ最近ではNintendo Switchも手に入れにくい現状が続いていますが、PS vita専用だったころよりも、敷居は少し下がったかなとも思うので、これを機にめくるめくグノーシアの世界を是非堪能して下さい!!

 

globule.info

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!!WARNING!!WARNING!!WARNING!!

※以下、『グノーシア』本編の一部ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グノーシア』という作品の本当の魅力とは何か。それは「多面性」である。

 

仲間と共に宇宙船を守る人間か、

人類の脅威であるグノーシアか、

それとも宇宙の崩壊を目論む第3存在、バグか。

 

本作では、多様な役職を振り分けられた状態でゲームが始まる。議論が始まるまでは、誰がどんな役職かを知りえないが、議論を重ねていくうちに見えてくる。

 

それと同様に、繰り返されるループの中で、謎に包まれていたそれぞれの登場人物の性格や素性、この宇宙船にたどり着くまでの経緯などを知ることが出来る。

 

人は嘘をつき、真実を隠そうとする。

 

しかし、それでもめげずに、それぞれの登場人物へ深く踏み込んでいくことで、その人間の真の姿が少しずつ、多面的に象られていく。例えば、登場人物の一人である「ジナ」は嘘を嫌うという側面のある人物だ。だからこそ、とあるループにおいて、自らに「グノーシア」という役割を課せられたとき、彼女は自ら命を絶つ。

 

こうした行動の中に、登場人物がNPCとしてではない、それぞれの運命や信念、人間らしさを感じられる。これが只の「一人用人狼ゲーム」とはいえない本作の最大の魅力であるだろう。

 

我々が知る人物は、本当に自分たちの想像している人物なのだろうか。他のまだ見ぬ側面があるのではないだろうか。現実場面でも感じる、そんな疑問を登場人物にも抱いてしまう。そこに「人間らしさ」を感じていく。

 

個性豊かな彼らの本当の姿を知ったとき、貴方はこのループの意味を知ることが出来るのかもしれない。

 

疑うな 畏れるな 知識 (グノース) は宇宙を救う

 

このキャッチコピーの通り、どうかこの巡る疑心暗鬼のゲームを畏れずに呑まれていって欲しい。