クリスマスも明け、いよいよ年末年始が間近に迫ってきています。「○○納め」が増えてくるとは思いますが、「仮面ライダーゼロワン納め」も個人的にはオススメですよ。
先日、「劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」及び、「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」を観てきました。公開されてまだ間もなく、新型コロナウイルス等の影響もあってまだ映画を観られていないという方も多いと思われるため、今回はネタバレなしでお届けさせて頂きたいと思います。
ちょっとも内容を知りたくない! という方は、この先で少しだけ内容に触れますのでブラウザバックを推奨しておきます。
それと、ネタバレ込みの感想は公開からしばらく時間を空けてから書こうと思っていますので、そちらはまたいつかに。
さて、それでは内容に入っていきますが、ゼロワン、セイバー共に、特筆すべき点は「どちらの作品もアクションが最高」という部分かなと思いました。とにかくどちらも見応えは抜群でしたね。
良くも悪くも大味な 「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」
仮面ライダーセイバーは、突如として破滅の本より復活した不死身の剣士、仮面ライダーファルシオンと仮面ライダーセイバーたちの激闘が物語の中心となります。
開幕からクライマックスとなっており、ひたすらに戦闘を楽しめる内容でした。短編とはいえ、内容の説明不足感は否めず、駆け足で進んでいく印象を受けたのですが、その分アクションに力が入っているのでそれぞれの剣士たちの活躍がたっぷりと詰まっています。
仮面ライダーセイバーは映像的な演出を駆使した、絵的な格好良さ。いうなれば、子どもの頃観たかったカッコイイ必殺技がバッチリ盛り込まれていて年甲斐もなく興奮してしまいました。
ただ、劇場限定フォームの音声がBGMと被っているせいで聞き取りにくかったのは、個人的にちょっと勿体なく感じました。これに関しては、本編でも結構何度かあったのですが……。
ライダーたちの変身シーンや必殺技など、見栄えするシーンは多かったので、良くも悪くも大味な短編という感じです。出来れば、もう少し長い尺でストーリーのバックグラウンドも知りたかったですが、見所は豊富でした。
怒濤の展開と映像的な迫力満点の「劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」
仮面ライダーゼロワンは、エスによる「楽園」の創造とそれを阻止するための飛電或人と仮面ライダーたちの60分の激闘がメインとなって物語が進んでいきます。
こだわり抜かれたカメラアングルと、TV版ゼロワンでも培われてきたスマートで格好良い演出が旨く融合した、実写と映像演出が合わさった特撮作品ならではの良さが溢れ出ていました。
60分という制約があることで刻一刻と迫る時間にハラハラすると同時に引き込まれていく感覚がありました。時間制限と定期的な時間表示があることで、どのタイミングで登場人物たちがどういう状態なのかが分かりやすかったです。
物語はいきなり戦闘から始まり、ノンストップで怒濤の展開が続いていくので、見ていてずっとハラハラしていました。5分に一回は見所があったんじゃないかというくらい、60分に情報が詰め込まれています。
また、メインライダーはほとんど全員活躍するところも良かったです。ゼロワン本編では、仮面ライダーバルキリーなどがやや曖昧な立ち位置のままなど、もやもやする演出が多かったのですが、A.I.M.S. の隊長としてメンバーを指揮して人々の保護をする様子や、テロリストと対峙する様子がしっかりと描かれていて良かったです。ずっと観たかった「戦う格好良い女性」という面が出ていました。
また、メインで登場していたキャラクターにも全員にスポットが当たっていて、不破さんのその後や、滅や迅の心境の変化、サウザーの活躍も描かれており、よくこの短時間に上手く詰め込んだなといった感じでした。あと2時間ぐらい追加で観たかった。
個人的に凄く良かったのは、A.I.M.S.とテロリストたちの交戦シーンで仮面ライダーのアーマーに当たった弾が弾かれる、銃弾の発射音がリアルなど、細かい演出もこだわられていた部分です。随所のリアリティが追求されていることでの没入度もかなり高かったと思います。
特に、ランペイジバルカンの衝撃避けに展開されていた羽などの各ライダー固有の能力を活かした演出やバイクアクションなど、思わず唸ってしまう格好良さが詰まっていました。
一つ注意として、観る人によっては「うわっ」となるような描写があるかもしれません。描写の明記は避けますが戦闘中などに直接的ではないけど、比較的「グロい」とか「エグい」と思ってしまうようなシーンが幾つかあります (勿論、直接的にグロいものが出るというわけでもないのですが)。そういった演出が全く無理な方は気をつけて下さい。
「技術の可能性」と「飛電或人の物語」の一つの決着
今回のストーリー関しては、ゼロワンにおいてヒューマギアが中心となって語られていた「技術の可能性」という話と、「飛電或人の物語」という部分がメインテーマではないかと個人的には感じました。
個人的に飛電或人という人物は、「人やヒューマギアのためなら、真っ先に一人で突き進んでしまう」という純粋さと危うさが同居したキャラクターとして描かれていたように感じます。そういったやや短絡的な考えで一人突っ走る部分は、『仮面ライダー鎧武』の主人公である「葛葉紘汰」に近い性質なんじゃないかなと考えていたりします (あちらは元々そういった危うさが取り上げられていましたが)。
今作でも、飛電或人/仮面ライダーゼロワンは一人で突っ走っていくのですが、最終的には一つの結論にたどり着くことが出来たと思っていて、それがゼロワンとしての着地点ではないかとも思っています。
とはいえ勿論ゼロワン特有の説明不足感や、あの人のことや、あれはどういうことだったのか気になる場面が残るなどの物語の粗もあるのですが、それはまた後日。とにかく、個人的にはそんな部分も含めても最後まで楽しく、とても満足感のある内容でした。
「技術の可能性」と「飛電或人の物語」の決着はどんなものなのか。そして、
エスの「楽園ガーディア」とは何なのか、何故楽園創造にこだわるのか。
なぜゼロワンとゼロツーが並び立てているのか?
世界の存亡は?
といった物語の根幹については、是非皆さんの目で確かめて欲しいです。
現状は新型コロナウイルスの影響による自粛などで行きにくいと思いますが、戦闘の重厚な音を楽しむなら是非映画館で見て欲しいです。状況が落ち着いたら、感染対策をしっかりとして是非劇場へ足を運んで頂けたらと思います!