ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

ゲームやYouTube、漫画・特撮が好きな人のブログ。ゲームの話題がほとんどです。

【ネタバレ有り】「ナポリの男たち」の「クトゥルフ神話TRPG 狂気山脈 ~邪神の山嶺~」が最高過ぎたので感想を書き殴る

大好きなものが2つ同時にお出しされると、めちゃくちゃ嬉しいものです。ハンバーグとカレー、前作主人公と今作主人公、そして、「ナポリの男たち」と『TRPG』……。

 

ということで、先日行われたナポリの男たちのTRPG配信があまりに良すぎたので、ひたすら感想を書き殴っていく記事です! 恐ろしく長くなったので、興味がある方はどうぞ!

 

 ちなみに、以前にはこんな記事も出してます。じわじわと読まれていてありがたい限りです。本当に最高に楽しい人たちなんですよ「ナポリの男たち」は!  動画見ろ!

 

yanyantukeboono.hatenablog.com

yanyantukeboono.hatenablog.com

 

話を戻しまして、「ナポリの男たち」が、先日同じくゲーム実況者の「むつー」さんがKPを担当する「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」という『クトゥルフ神話TRPG』のシナリオを遊ぶ様子が配信されました!

 

前回のTRPGであった「ぱぱびっぷ」さんの「LGO」も最高だったので楽しみでした。私はTRPG自体が元々凄く好きだったので、この組み合わせはもうたまらなかったです! 

 


ナポリの男たちの「狂気山脈~邪神の山嶺~」【クトゥルフ神話TRPG】

 

またシナリオ原作者の「まだら牛」さんは、その他にも様々なシナリオを手がけており、自身も登山などを嗜む凄い人です!

 

更に本配信で使用されていた「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」シナリオは、3人用、4人用のどちらもBooth内で無料配布されております!

 

他にも魅力的なシナリオやグッズも販売しておりますよ! TRPGの特性上、一度セッションを観てしまうとプレイヤー参加が出来なくなってしまうので、プレイ予定の方はご注意下さい。

 

www.youtube.com

dappleox.booth.pm

 

前置きが長くなりましたが、ナポリの男たちの「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」の個人的感想に入っていきたいと思います!

 

 

※以下には、クトゥルフ神話TRPGシナリオ「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」および、ポリの男たちの「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」プレイ配信の内容に関する重大なネタバレが含まれます。該当シナリオを未プレイまたは、該当動画を未視聴の方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲームスタート~5000m地点まで

狂気の山脈にて ラブクラフト傑作集 

まずえべたんは、序盤での毒舌から「こりゃアンチもつくわ!」と笑っていたのに、後半になってくると「なんでこの子にアンチがいるの……?」となる優しくて芯の通ったギャル像が良かった。こんなに快活で屈託ない子なのにアンチが多いのは、表面的な性格しか観てない人に嫌われやすいんだろうなきっと。

 

 

蘭たんさんは相変わらず女性っぽい自然な演技が上手。2016年のクリスマス色男選手権のみーちゃんも上手かったもんなぁ。

 

 

あの武井壮さんも反応されていた杉山 徹心は武人感を出しながらも俗っぽさもあって面白かったです。中身のすぎるさんがチラチラ出ていたのが、逆にオンリーワンのキャラクター性で良かった。

 

 

八木山志海 三郎は、序盤からキャラが一貫されてましたね。常にキャラクターの考え方を尊重するhacchiさんと、最後まで周りに囚われない方針を通したshu3の演技が光る! 今回は奇跡的なバランスで、全員が主人公なタイミングがあったのが良かった。

 

 

4000mキャンプでの穂高 梓とえべたんの女子トークがあまりに尊い。そして、杉山のキャラブレ感で適度に空気を緩まっていて良かった。その後のコージーの発言に、八木山よりも先に杉山がキレるのも素晴らしい。ここでの八木山のオーロラについてや志海の発言、狂気性などが結果的に後のフラグみたいになっていたのが凄い。貴重な息抜きパートでフラグが張り巡らされてるのが名作映画みたいだ。

 

アクシデントの「雪崩」は観ていてヒヤヒヤ。TRPGってダイスの目で容赦なくロストするので、ああいうイベントも侮れない。実はこの段階で既に志海は「こういう日に死ぬんだなぁ」と呟いていて、杉山はビバーク時に「自信をなくしてきた」と発言してたんだね。何気ない言葉だが、後から見返すとさりげない伏線みたいになっていて鳥肌が立った。

 

 

6000mキャンプ地~大黒壁まで

新訳 狂気の山脈

 

ショゴス乗越を超えたときのアニメーション付き一枚絵が息を呑むほど美しい。絵を担当されていた「平の字」さんと「さいもに」さんの絵が本当に素敵。「まだら牛」さんの監修もあって、リアルとアニメ調の良さが上手く調和されているキャラデザだったなぁ。

 

 

コージーが崖から転落したときに「痛い~?」と聞く志海、サイコパス要素が一貫されていて完璧すぎる。その後の離脱イベントでも、何とかコージーを引止めようとする3人と微塵も興味が無さそうな様子で黙る志海の対比が素晴らしかったです。志海のことだから、話し合いの間は山の上の方でも眺めてたんだろうな。

 

そして意味深な夢イベント。八木山と志海にとっては、ここがターニングポイントだったように感じる。七浦を信じて動揺しない八木山と、友人のことを思い出してバランスを欠き始める志海。ここで対比的な構造になっているのが、ダイスの女神に導かれるような結果だったように思う。

 

K2の限界を知って、率先して降りようとするのが八木山らしいなと思ってしまった。七浦のような山での被害者を、自分のように山に呪われた人間を出したくなかったんだろうな。七浦を信じたいが、心のどこかで彼の生存を諦めているような態度が見えて胸が締め付けられる。

 

若いえべたんが老いた名登山家 K2に登頂を託されるシーンで、「えべたんが絶対登る」と伝えるシーンが良すぎる。始めはギャルっぽい軽さを出していたえべたんが、笑いゼロで伝えるのがマジで最高。多分ここのえべたんは、K2の目を見つめながら伝えたんだろうな。

 

この場面はむつーさんの名演技も相まって、うるっとしてしまった。全体的にむつーさんの自然に人の気持ちに入り込んでいく演技が凄い。ふとした仕草が目に浮かぶようだったり、声色を変えているだけでどのNPCが話しているかがわかったり。とてもSFC版『ウルトラマン』の実況をしていた人と同一人物とは思えない……勿論良い意味で!

 

 

 

大黒壁~登頂まで

ホビージャパン 狂気山脈 日本語版 (3-5人用 60分 12才以上向け) ボードゲーム

 

八木山が七浦の遺体を見つけて取り乱すのではなく、何となくそんな気はしていて覚悟していたのが解釈一致すぎる。多分第一次探検隊の遺体を見つけた時点から、更にいえば山へのトライ前から覚悟してたんだろうな。

 

それでも、手記を震える手で捲るのが……そりゃ覚悟が決まってようが友の最期を知るのは怖いよな。そして七浦からの最後の書き残しから互いに友を信じていたことが分かって、すごくウルッとさせられた。八木山は最後まで七浦に導かれるようなダイスの目だったのが印象的だった。

 

手記を読んだ後に八木山が七浦だけではなく、もう一人の生存者のことも気にかけていたのが好きで。八木山、君は本当にどこまでも人のために生きようとしてしまう人なんだな。そして、えべたんが励ましてくれるのも良い。

 

初見でも分かってしまう、大黒壁の「6ピッチ」というクソヤバさ。4人が少しずつ相談しながら進む様は、本当に山を登っている人を見ているようで手に汗握る展開でしたね。結果としては思ったよりサクサク進んでいきましたが。七浦の手記がなかったら、全滅の可能性すらあったことを考えると本当に恩人だ。

 

あそこは1日でどんどん登っていったのがスリル満点で良かった。ゲームを楽しみながらも、配信的に面白い方を選んでくれるナポリの男たち好きだわぁ。

 

ここに来て志海がワガママを言い出し、杉山が頼れる存在として活躍していたのが良い塩梅! 強靱な登攀スキルを持つ杉山が登るときには、「それでも杉山なら…」「杉山ならきっと何とかしてくれる…!!」という思いが何となくあった。そして、失敗しそうで登り切る志海の不死身感と謎の安心感も印象深い。その後の初登頂を決めるときに引かないのも、志海らしかった。

 

 

登頂~下山まで

マロリーは二度死んだ

 

初登頂に成功して皆がK2たちへ通信をかけたり、思い思いの感想を口にしたりする中、志海だけが不穏な言葉を残す。この辺りから、夢を見た頃から始まっていた志海の不吉さが顕在化し始める。見ている側としても志海はこのまま帰らないのではないか、下山後にどこかに消えてしまうのではないかという不穏な空気を感じた。

 

パラシュートを見つけて脱出する際に「次はお前のことが心配になってきた」と言い残して飛ぶ八木山。飛ぶ直前に「こういう日に死ぬんだよなぁ……」と呟く志海。このワンシーンに志海という存在の面白さと奇妙さが凝縮されていると思った。

 

このシーン、漫画とかアニメだったら口元以外の表情が分からないようになってそう。名シーンだらけの今回の中でも、特に名シーンだった。その後の「今日、このときのために生きて来たのかもしれません」は瞳孔かっ開いて満面の笑みの志海がアップで映りそう。

 

そして七浦に護られるように間一髪生き残る八木山と、不吉な予感が的中する志海。夢を見た二人が、またも対比的な決着を迎えるのが凄い。

 

雪崩の時の一言や、夢での出来事、山頂での違和感など、様々なロールプレイやダイス目による偶然が重なり合い、ここで一本の線として繋がるのが奇跡的で。上手く作られた映画のように、志海は劇的な顛末を迎える。

 

前人未踏のエベレスト初登頂を果たした可能性を残して消息を絶ったジョージ・マロリーと、奇しくも志海が同じ運命をたどるのもエモ過ぎる。

 

そして世界初登頂したのが志海だと知っているのは、この登山隊だけというのも……。皆さん語られていましたが、あれで「志海 三郎」という人間の物語が完成した感じがありましたね。

 

夢での出来事で志海はおかしくなったのか、それとも異常性は生まれつきで、死に場所を探すようになったのがあの出来事だったのか。そんな風に考察の余地を残した状態での退場が素晴しい。

 

もしかしたら友人を突き落としたのかもしれない志海が、友人たちの脱出の手立てを見つけ、最高のスリルを感じた山に消えていく。完璧すぎる最期。志海は後に残すことが特にない様子なのも切ない。

 

少し話は変わりますが、shu3の雑談で話していた生存エンドの構想も良かったな。「友人の墓へ……」という後日談。たしかに志海自体は慕われてなさそうだけど、友人は愛されてそう。

 

あと、杉山が回避失敗した後にちゃんと身体の強さというか、「覇王」感を発揮したのも最高でしたね。最後の最後に君はカッコいいところを出していく……!!

 

杉山自身はそう感じていなかったのかもしれませんが、個人的には神話的存在である「狂気山脈」に杉山は勝利したといえる結果だった気がします。でも、神話生物や自然に手も足も出なかったことや、友人を救えなかったのが大きかったんだろうな……。

 

散々引止めたのに下山を選択したコージーが、最後の最後で姿を現わして一緒に脱出していくのも映画っぽくて素晴らしい。そして見捨てない選択の末、八木山が「目星」でK2たちを見つけ出すのも熱い。これ以上の犠牲は絶対に出したくなかったんだろうな、八木山は。そして最後までえべたんも一緒なのが、彼女の意志の強さが感じられて良い。

 

 

エンディング~後日談まで

狂気山脈の彼方へ (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

 

それぞれの後日談もどこかビターなのも良かった。コージーやK2との約束を無事果たすえべたん、取り憑かれたように再トライを目指す八木山、帰らぬ友を待つためにタピオカ屋を続ける杉山、山の中で生死不明となった志海こういうキャラクターたちの後日談が相談しながら形作れるのも、このゲームの面白い所。

 

きっと八木山は、再トライが終わった後も眠れないんだろうな。その命が尽きるときに、やっと安らかに眠れるのかもしれない。八木山~どうか幸せになってくれ~!!

 

KPのむつーさんも裏話で話していましたが、「志海 三郎」いう男の最期は奇跡的な確率で、本当にダイスの女神に愛されていたとしか言いようがないと思う。というか改めて見返すと、全体を通してて「偶発的に発生した」とは思えないほど良く出来た物語だった。ナポリの男たちやむつーさんのダイスの目や、それぞれのロールプレイによる心境の変化などがこの物語をたぐり寄せたと考えると凄く感慨深い。

 

 

 

こうした劇的な物語が誰の元でも生まれる可能性があるのが、TRPGの面白いところです。本当に恐ろしく深い沼だ。今回の「ナポリ山脈」でTRPGに興味を持った方には、是非色んなリプレイを観たり、実際にプレイしてもらいたいなと思える内容でした。

 

私も数回KPを回しましたが、本当にその場にいる人だけの物語が紡がれて、それを共有することが出来るのが楽しいので本当に是非!

 

みんなで一緒にTRPG沼と、「ナポリの男たち」、「むつー」沼に落っこちよう!!