ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

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主人公たちを覆う血みどろで過酷な運命!! 新連載は多種多様!!【そして時は動き出す⑯ (2020年38号~42号)】

 5月も気づけば最終日ですね。もう一年が半分過ぎたと思うとゾッとします。この企画も後2回ほどで2021年度分に突入するので、いよいよ現行の内容に追いつきつつあります。何とかキチンと最新号まで到達できそうなので、少しホッとしている部分もあります。早く本誌を追う皆さんに追いついていきたいですね!

 

それでは今週分の感想です。前回までの流れは以下からどうぞ。

yanyantukeboono.hatenablog.com

 

今週は2020年38~42号までの5号分の感想です! (38~42号の表紙は感想のところにあります) 今回は新連載がベテラン、新人が入り乱れています! 後半は少し真面目な話をしているのでご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『BURN THE WITCH (バーン・ザ・ウィッチ)』 第1~4話 (第1部終了) 

週刊少年ジャンプ(38) 2020年 9/7 号 [雑誌]

 

BLEACH』と世界観を共有するドラゴンと魔女を巡る物語です。短期集中連載とのことで、4話でSeason1は完結しました。第1部は後の展開を匂わせつつ、ストーリー的にまとまっていて面白かったです。特に、冒頭の「童話」の話題が複数の意味を持って回収されるのがすっごくカッコよかったです。相変わらずオシャレながら専門用語が多いなーとか色々思ったところもありますが、「普段はゆるくてテキトーなのに、実は強いおじさん上司」を出した時点で満点です。ちなみに黒崎一心が同じ感じだったので、BLEACHのラストでの駆け足展開も全て許しました。

 

ただ『BLEACH』でも見られたような、風呂敷を大きく広げているところはちょっと心配な部分ですかね。短期連載作品でのシリーズ展開なので、今後のシーズンで拾いきれるのか気になります。でも、久保先生はストーリー展開が下手というわけでは決して無いと思います。ただ設定面が非常に練られている分、必然的に話も長くなってしまうという感じなのかなと。そこを連載向けに縮小した反動で、バトルや駆け足気味の展開になってしまっている印象です。

 

絵の表現は相変わらず美しかったです。女性キャラを妖艶で魅力的に描けるだけではなく、おじさんや異種族も格好良く美しく描き分けられる点が良いですよね。同一作品中に似た雰囲気のキャラクターがいないのは本当に凄いです。今後のシーズンでも間延びせず進行することを祈りつつ、第2シーズンを期待して待ちたいと思います!

 

 

 

『仄見える少年』 第1~4話

週刊少年ジャンプ(39) 2020年 9/14 号 [雑誌]

 

過去にも本誌で読み切りを掲載されていた作品が、この度連載作品になりました。霊媒師である主人公と霊を呼び寄せる体質のヒロインが「霊怪」と呼ばれる怪異から人々を救っていくというストーリーです。読み切りの時から既に連載できそうなくらい設定が練られていた作品でした。主人公は、読み切り版よりもやや捻くれ者の側面が強くなった印象です。また、鍵の使用方法が「扉に引き込む」から、「扉から召喚する」形に変わり、出てくる存在も読み切り版と変わりました。読み切り版では日本人形たちのような不気味な存在たちでしたが、連載版では影の鬼や退治した霊怪を影で再現したものになりました。

 

最近本誌連載では希少種となってしまった純ホラー枠 (『呪術廻戦』もその類ですが、あちらは分類的に能力者バトルの方が近いかも) ですが、凄く良いです。怖い話自体は苦手なのですが、ムヒョとロージーの魔法律相談事務所のようなホラーバトルものって何か読んじゃうんですよね。本作は読み切り時代から「連載してほしいなぁ」と思えるキャラの濃さだったので、本誌で読めて嬉しい限りです。個人的に一番好きなキャラクターは主人公のお姉さんです。ああいうミステリアス強キャラって好きなんですよねー。

 

 

『高校生家族』 第1~4話

週刊少年ジャンプ(40) 2020年 9/21 号 [雑誌]

 

磯部磯兵衛物語 ~浮世はつらいよ~』の仲間りょう先生の新連載です。この作家さんは相変わらずぶっ飛んだ設定でスタートしますね。あらすじとしては、家族全員が主人公と同じタイミングで高校に入学するというギャグ漫画です。何なんだその発想は。いや仮に思い付いたとて、それを連載作品にするってどういう考えなんだ。流石浮世絵をモデルにギャグ漫画を書いていた仲間先生だ……。

 

ギャグの内容に関しては、前作同様シュールギャグで進んでいく感じですね。こういった雰囲気って、『ピューと吹く! ジャガーをどことなく思い出して懐かしい気持ちになるんですよ。どうかしばらくは、打ち切り枠とは別に本誌の最後にひっそりとある「シメ」みたいなポジションに置いといて欲しい……!

 

 

『ぼくらの血盟』 第1~2話

週刊少年ジャンプ(41) 2020年 9/28 号 [雑誌]

 

こちらも以前、本誌で読み切りを連載していた作品です。吸血鬼の弟と、血盟を交わした兄が活躍するダークアクションファンタジーですね。本作も読み切り版の時には既に設定が固まっていた感じの作品でした。読み切り版からの変更点は、戦う相手が「吸血獣」という魔物になって明確化したところですかね。その他、大元の設定は読み切り版から引き継がれている印象があります。

 

本作の感想としては、「美男子とショタが活躍するのを楽しむ作品」といった印象 (作中でもお兄ちゃんのことを「ビジン」と表現する描写があったので恐らく合ってる)多分、刺さる人には破茶滅茶に刺さると思います。ではストーリーや設定は微妙かというとそうではなくて、血を利用した戦闘や王族の血を巡る物語はかなり厨ニ心をくすぐられます。今後は両親の命を奪った吸血鬼? や強い吸血獣たちも出現すると思うので、ダークファンタジー部分がどうなっていくか期待ですね。

 

あと、顔が良い。美少年の短パンハイソックスは、何か開いてはいけない扉を開きそうになったので危険でした。吸血美形ショタとか、思春期の少年少女が変な性癖に目覚めてしまいそうですね。デンジ、開けちゃだめだ。

 

 

チェンソーマン』 第81~85話

週刊少年ジャンプ(42) 2020年 10/5 号 [雑誌]

 

前回の小休止的な雰囲気から打って変わり、マキマの手によってパワーは殺害されます。マキマはデンジに日常を与え、それを壊すことで彼を絶望させて真の「チェンソーマン」を目覚めさせることが目的でした。チェンソーの悪魔」ことチェンソーマンは、「食べた悪魔をこの世から存在しないものにする」という恐るべき力を持っているとのこと。チェンソーマンはコベニの働くハンバーガー屋にやってきて……。

 

本作の時代設定が現代より以前なのが少し気になっていたのですが、まさかの「ナチス」や「第2次世界大戦」などの概念もチェンソーの悪魔に食べられて無くなっていたことが判明。これは流石に驚きました。ストーリーの要素としても驚きましたが、「世の中の大事件の名を冠した悪魔は強いはず!」という読者の考えへのアンサーにもなっていて色々とすごい展開です。自らの臓物を首に巻いて佇むチェンソーマンの姿は、「仮面ライダー1号」などの石ノ森作品の主人公を思わせるカッコよさがありましたね。

 

そして、コベニちゃんのパワハラ現場にやってきてハンバーガーを求めるチェンソーマン。ポップに人が死ぬ感じがギャグなのかシリアスなのか何ともいえないパートで「シリアスな笑い」再びって感じでしたね。本作はこうした「シリアスっぽいギャグシーン」があって、不思議なシュールさが生まれてます。まさしく「藤本タツキ節」とでもいえるような、摩訶不思議な感覚はクセになりますね。

 

 

『呪術廻戦』 第118~122話

呪術廻戦 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

最強の式神 魔虚羅 VS 呪いの王 宿儺の激戦が始まりました。あらゆる攻撃に対して適応を得るというとんでもない能力を持った魔虚羅に対して、宿儺は領域展開「伏魔御厨子」を発動しました。必中範囲の全てに斬撃を与えることで、周囲にいた人間たちは恐らく全滅。魔虚羅も初見の技による猛攻で打ち倒されました。そして意識は宿儺から虎杖へ戻り、宿儺がもたらした凄惨な殺戮劇を知って苦しみます。人を救おうと奔走する虎杖の前には、瀕死の七海が。彼から「後は頼みました」と「呪い」を託された虎杖は真人との決戦に挑みます。一方で、分裂したもう一体の真人は釘崎との戦いへ突入しました。

 

虎杖に突きつけられたあまりに残酷な現実。『呪術廻戦0』を読んだ辺りから思っていましたが、本作では「人の想い」はある種の「呪い」 にもなりうるという表裏一体の危険性をずっと取り上げている印象があります。以下の記事では「正義感」がテーマになっているように感じると挙げましたが、正しくは「正義感」の根底にある他者から託された祈りという名の「呪い」がテーマなのかも。

 

yanyantukeboono.hatenablog.com

  

誰かのために生きたいと願うのに、虎杖≒宿儺という構図が彼が生きるだけで害になったり、誰かの死を招くという地獄の構図。あれ、大人向けの仮面ライダーにも似た構図があったような……。そんな曇り甲斐がありそうな虎杖が過酷な現実を経てどんな結末に向かうのか、楽しみな半面不安感も強いですね。どうか虎杖の行く末に幸がありますように。あとアニメ版主題歌である『廻廻奇譚』の2番の歌詞って、この「渋谷事変編」をモチーフにしてそうですよね。「命を投げ出さないで」や「五常を解いて」など、ストーリーを沿っている感じがあります。

 

 

『ボーン・コレクション』 第15話 (最終話)

ボーンコレクション 2 (ジャンプコミックス)

 

骨の妖怪「がしゃどくろ」と共に戦う陰陽師の物語が打ち切りとなってしまいました。本作の連載開始時にも書きましたが、ストーリー進行は淀みなく読みやすかったです。ただ、序盤以降は展開がややモッタリとしてしまって盛り上がりが薄くなってしまった印象がありました。

 

あとシリアスな戦闘を描きたいのか、ギャグっぽい戦闘にしたいのかがやや分かりづらかったです。その2つが同一戦闘内で交互に展開されるせいで、作品全体の個性がややブレてしまっているように感じてしまいました。折角キメるところはキメられる主人公コンビの良さがあったので、大ボス戦はキッチリと締めてもらいたいなと思ったり。

 

でも、「がしゃどくろ」の骨で戦うという発想はグッと来ましたし、最後の妖怪と人間が争い合うのではなく共存の道を選ぶという展開はすごく好きでした。あと最終話の骨の結婚式場などのデザインは好きでした。キャラデザなどがもう少し少年誌向けだと良かったのかな。

 

雲母坂 盾先生、本当にお疲れ様でした!

 

 

『タイムパラドクスゴーストライター』 第13~14話 (最終話)

タイムパラドクスゴーストライター 2 (ジャンプコミックス)

 

未来から来た週刊少年ジャンプの大人気作を盗作してしまうという衝撃のスタートをした本作ですが、打ち切りになってしまいました。主人公の向かう先や展開が読めなくて結構好きな作品でした。ただ、序盤での盗作問題による主人公の葛藤が使命感で流されたのは気になりました。主人公があの路線で進むなら、初連載時の感想でも書いたようにデスノート的な展開になった方が面白かったんじゃないかと。せめてヒロインに盗作がバレて、何らかの贖罪を直接果たす場面は欲しかったです。

 

あと、中盤以降は結局ヒロインである藍野さんが夢を叶えて幸せになる結末が全然見えないところが辛かったです。もう少し救いのある展開が良かった……。最後の時が止まった世界で、主人公の苦悩や代償があまり触れられなかったのも気になりました。ただ、単行本の描き下ろしではこの辺りが触れられているようです。

 

中盤からの展開はエニグマシュタインズ・ゲートを彷彿とさせられて割とワクワクしました。ただあの流れに持っていくなら、逆に主人公が「ホワイトナイト」を描いてしまったことがきっかけの方が展開出来たような……。でも、電子レンジのロボットの反応や過去のジャンプ売りのお爺さんなど、色んな展開を予定していたんだろうなと思いました。というか、作画担当の方って『クロスアカウント』の作者さんだったんですね! 作画が連載作品ながら凄く綺麗に描かれる方だなと思っていました。

 

市真ケンジ先生、伊達恒大先生、本当にお疲れ様でした!

 

 

『アクタージュ』 第123話 (2020年36・37号分にて連載終了)

アクタージュ act-age 12 (ジャンプコミックス)

 

www.shonenjump.com

 

まず初めに、本記事は被害者への中傷等を決して目的としていないことを明言させて頂きます。また、被害者の方が負われている心身の苦痛は未だに筆舌に尽くしがたいものであろうと拝察申し上げます。どうか心身のケアが少しでも進んでいくことを心からお祈りしております。

 

それでは、本作の個人的な総括を。本作は新人女優の「夜凪景」通して「人は誰にでもなれる」、「夢を追うことの楽しさとシビアさ」というのをテーマに据えていた様に感じます。本作の面白い点は、「夜凪景」という主人公の変化です。夜凪は序盤では新人で周囲に挑戦していく存在として描かれていました。ですが、徐々に彼女自身が追われる側、挑戦される存在へと変貌していくという構図でした。

 

初めは憧れる存在だった墨字監督や人気女優の百城たちに追いつき、彼らと並び立ち、更には周りを奮い立たせる者になっていく夜凪景。彼女は読者からしても、自分たちと同様に夢を追う者であり、夢を追いつける者であり、夢は叶うのかもしれないと希望を与えてくれる力強い存在だったと思います。そんな夜凪が、フィクションの世界すら超えて芸能界を変えていく姿をもっと見たかったです。

 

 

ここからは私個人の創作物に関する持論となるのですが、作り手はいつだって「最終話」を届ける使命があると思っています。それは読んで下さる皆さんへの義理ということもありますが、それ以上に自らが生み出した登場キャラクターたちという「我が子たち」をキチンと見送るのが作り手がすべきことなのではないでしょうか。

 

もちろん、病気ややんごとなき事情で筆を折ることになることに関しては仕方ないと思います。ですが、そうではないのであれば急な幕引きとなってでも生み出した物語にピリオドを打つのが作り手としての誠実さだと感じるのです。これは、私自身も多くの創作物を中途半端に終わらせてしまった過去があるため、その自戒を込めてという意味でもあります。自分の作品を本当に大切にするのであれば、作品に誠実であるということはどういうことなのかを作り手は常に考えるべきなのだと思いました。

 

重ねまして、本記事は被害者への中傷等を目的としておりません。本作の連載終了は事の重大さから妥当であると考えております。

 

また、作画担当の宇佐崎しろ先生、本当にお疲れ様でした。このような形での連載終了は不本意ではあったと思いますが、素晴らしい作画をありがとうございました。今後の活躍も楽しみにしております。

 

 

ということで、今回はチェンソーマン』『呪術廻戦』などで主人公曇らせイベントが多発してメンタルがやられる回でしたね! また、幾つかの連載作品も今回で終了となりました。新連載陣はジャンル等も多種多様で幅広いので、今度も続く作品が出てほしいなと思います! 個人的なイチオシは『仄見える少年』です! では、また次回。