ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

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ゲームと私 第19回 「帰ってきた『ポケモンスナップ』と見つけ、写し、残すことの楽しさについて」

「写真」というものには「思い出や経験を残しておく」という素晴らしい効果があると思います。写真に保存することで、その時に感じた世界をそのままの状態で残しておける。これって凄くロマンチックですよね。私は被写体になった経験が殆どないんですが。

 

ただ若い頃はあまり写真を撮るという行動が好きじゃなかったです。旅先などでも楽しむことより「写真を撮る」という行為がメインになってしまう気がして、ちょっと苦手に感じてました。でも、年を経るごとに物質として思い出を共有できるのって良いなと思うようになりまして。「記憶」という抽象的な存在から「写真」という具体的な存在にすることで、当時の雰囲気や空気感を克明に再現できるのが良いなと今は感じます。

 

ポケモンスナップ』とかいう名作

 

では、いつものようにゲームの話へ。ポケモンスナップという色褪せぬ名作をご存知でしょうか。ニンテンドー64にて発売された、タイトル通りポケモンの写真を撮るだけの一見シンプルなゲームです。これだけ聞くと単調なゲームに見えますが侮るなかれ、本作はポケモンたちの「リアル」を存分に楽しめる作品なのです。

 

ポケモンスナップ

 

 

発電所周辺を根城にするでんきポケモンや、火口付近で隠れているほのおポケモン。マグマの熱で進化、孵化する個体など、彼らの生態を間近で体験するという贅沢さ。フィクションの世界なのに、現実のような没入感を得ることができるという素敵な体験ができるゲームでした。

 

自然界に適応して意外な場所に生息するポケモンたち。彼らの撮影を続けるため、自らの手で道具を応用して新たなルートを開拓していくのも楽しいです。また、草木に擬態するフシギダネやポリゴンを道具で飛び出させて撮影するなど、工夫することでオンリーワンの写真が撮れるのも良かったです! やり方が多少鬼畜ですが。

 

不満点も無いわけではなくて、結構ボリューム自体は少なめなんですよね。ある程度の要素を回収してしまうと、相当こだわってやりこまない限りはただのスコアアタックになってしまいます。それでも当時は夢中になってポケモンを撮っていました。例え、オーキド博士から「おしいのぉw」と煽られようとも。

 

(余談ですが、世の中には「ポケモンスナップ学会」という魔境もございます。興味のある方は以下から)

dic.nicovideo.jp

 

 

 そんな『ポケモンスナップ』に新作が出たんですよ!

 

 

おかえり! 新しくて懐かしい『New ポケモンスナップ』!

 

その名も『New ポケモンスナップです! 割とそのままの名前!!

 

本作では、「イルミナ現象」と呼ばれる特殊な反応を見せるポケモンたちの生態を調査するという目標のために各地を回るというのが大きな目標。本作の良い点は、前作から道具やポケモンは変わったのに作品の本質的な部分はそのままのところです。最高すぎる。

 

New ポケモンスナップ -Switch (【早期購入特典】スペシャルタグ ラプラス『New ポケモンスナップ』ver. 同梱)

 

何よりも、何度も周回して「試行錯誤してみる」という要素がそのままなのが最高。「最初は右側から写真を撮ったから、今度は逆の様子を見よう」や「あのポケモンはどんなリンゴの食べ方をするかな」など、色んなことを試してみて発見が出来るのが素晴らしい。リンゴをぶつけると怒ったり、周囲の変化に敏感だったりポケモンによって反応が様々で。そんな一度では到底見つけきれない様々なポケモンたちの生態を自らの手で探っていく。そこが本作の楽しさだと思います。

 

誰もが『ポケモン』で遊ぶうちに思った、「彼らはどんな生態なのか」を克明に描いている本シリーズ。エモンガはどんな風に食事をする? マグマッグはどう生きてる? ポケモン同士で天敵はいるの? そんな疑問を本作は解決してくれます。ポケモンの愛らしくも残酷な生態を知れるのも、本シリーズの大きな魅力だと思います。

 

更に本作から追加された要素として、「イルミナポケモン」の撮影があります。「イルミナポケモン」の撮影は、ひたすら同じポケモンに向き合うボス戦みたいな形でギミックが満載です。勿論、やられたり進行不能になることは無いのでご安心を。これが本作をただの周回ゲーさせない、良い感じの区切りになっていてまた良い。ただの「ポケモンファンのためのゲーム」として終わらせない、ゲームとしても面白くしようとする気概を感じられました。

 

前作の不満点であったボリュームも、各ステージ毎に環境レベルが設定されていて遊びごたえたっぷりです。レベルは周回による総合獲得得点でアップするので、やり込みのモチベーションにも繋がるのが良い。ただし、博士が変わっても写真に対する評価がガバガバなのは笑ってしまいましたが。この世界の研究者って美的センスを犠牲にしないとなれないの?

 

また前作『ポケモンスナップ』をプレイした人は思わずニヤリとしてしまうような展開もあったり。とにかく、製作者の皆さんに伝えたいのは「続編を作ってくれて本当にありがとうございました」です。これぞ正しくポケモンスナップであり、進化系。おかえり!!

 

nlab.itmedia.co.jp

※実際にプレイしてみて感想がよく理解できました。愛のあるプレイレポなので、興味のある方は是非。

 

このシリーズに出会ったことで、リアルのカメラマンたちが何故カメラを構え続けるのかが少しだけ分かりました。今この瞬間にしか存在しない、世界の息吹を写真なら捉えることが出来る。そして、捉えた「一瞬」を自分以外の人間とも共有できるのが写真の魔力なんだと深く感じます。ありがとうポケモンスナップよ。