ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

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新連載4作品は逃げて恋する魔女が野球!? 混沌の時代に立ち向かえヒーローたち!!【そして時は動き出す⑳ (2021年8号~12号)】

6月最後の更新です。何とか間に合ってよかった……。最近は急に暑くなってきたのでエアコンや扇風機が必須アイテムになりそうですね。溶けてしまいそうだ。さて、この連載記事も今回で20回目です。そろそろ単行本に収録前の話も増えてきそうなので、内容のネタバレを配慮しながら続けていこうと思います!

 

 それでは今週分の感想です。前回までの流れは以下からどうぞ。

yanyantukeboono.hatenablog.com

 

今週は2021年8~12号までの5号分の感想です! (各号の表紙は感想のところにあります) 怒涛の新連載4連続! 今回は歴史系からスポーツまで幅広いジャンルが揃い踏みですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『逃げ上手の若君』 第1~5話

少年ジャンプ(8) 2021年 2/8 号 [雑誌]

 

時は鎌倉、戦乱の時代を逃げ延びることで英雄になったものがいた。これはそんな、歴史に隠れた英雄 北条 時行の物語です。足利高氏 (後の足利尊氏) の謀反によって一族郎党を皆殺しにされた彼は、信濃国の神官 諏訪頼重らの力と己の生存本能で無事生き延びます。怪しい神官とそのお供、そして逃げ上手の若君による逃走と反撃が始まる! といったお話です。

 

ショタ作品が終わったかと思ったら、ショタ作品が始まった! という冗談は置いといて。暗殺教室『脳噛ネウロでお馴染み松井先生の新連載です。前作から続いて少年の主人公ですね。松井先生が描く少年キャラは、弱々しさと冷酷さが共存した独特の可愛らしさというか妖艶さが込められている気がします。何だろう……松井先生の性癖なのかな。 (失礼)

 

久しぶりの史実を元にした作品ですが、あまりスポットの当たらない人物が主人公ということでとても楽しいです。逃走しながら英雄の命を狙うという、歴史的にも類を見ない世にも奇妙な史実というのもワクワクしますね。北条家に関してはかなり疎いので、若君が繰り広げる戦いを毎週楽しみにしたいです! 今回の新連載で最推し!!

 

松井先生は物語の緩急の付け方が本当に上手で。1話で日常と喪失を表して主人公の旅立つ理由と目的を提示し、盛り上がるシーンを用意する。その中で、今後大成するであろう主人公の素質の片鱗を見せて読者の気を引く。などなど徹底的に「わかりやすさ」を追求した構成になっているんですよ。外してはいけないところは絶対に外さない、そこが松井先生の凄さかと思います。以下の記事で語られている、「防御力」を伸ばす工夫を実践されているのがよく分かりますね。

 

jump-manga-school.hatenablog.com

 

 

『アイテルシー』 第1~4話

週刊少年ジャンプ(9) 2021年 2/15 号 [雑誌]

 

主人公は兄弟で様々な犯罪を追う刑事です。そして、同僚である捜査一課の刑事 相生りさはとある誘拐事件の元被害者で「犯罪者に恋をする」という特殊な刑事。そんな彼女と主人公が犯罪ギリギリのラインで毒を以て毒を制す物語。二人の刑事による、前代未聞のクリミナルサスペンスが今始まる!! というお話です。

 

元誘拐事件被害者が「犯罪者に恋をする」という、ストックホルム症候群を思わせる境遇などが非常に面白い構図のサスペンス作品です。「恋」と「犯罪」という毒はどんな化学反応を起こすのか。ぶっとんだミステリーものって、結構名作率が高い気がするので盛り上がってくれると嬉しいなあ。

 

ただ、相生と関わった犯人が自首してしまうような不気味さというか、底知れなさが1話以降やや落ち着き気味なのが少し気になります。あと相生のインパクトに喰われてしまって、主人公の活躍が薄いのが少し勿体なく感じました。筋肉バカ要素以外は良くも悪くも平凡な印象があります。こういう作品だと読者視点に立つ主人公=サイドキックの魅力も重要だと思うので、もう少しくらい活躍があっても良いように感じます。

 

ただ4話から話が大きく動き出しそうな展開があったので、今後の展開次第では大きく化けそうですね。彼ら3人の刑事はどんな犯罪者の闇に触れていくのか。気になるところです。

 

 

『WITCH WATCH (ウィッチ ウォッチ)』 第1~3話

週刊少年ジャンプ(10) 2021年 2/22 号 [雑誌]

 

とんがりくせ毛で鬼の末裔というクセ強めの主人公の元に、魔女の修行を終えた幼馴染が帰ってくることに。使い魔の血統である主人公は先祖返りの罰を受けないように、そして幼馴染に降りかかる災いの予言を変えるために奮闘します。しかし、一人前の魔女になるための日常は前途多難の日々で……という話です。

 

ギャグのテンポは相変わらず良くて、独特のノリが「あぁ、篠原先生の漫画だな」としっくり来る感じの面白さです。大人びてそうで意外と年相応な主人公と、やや世間ズレした幼馴染の夫婦漫才と活躍が愉快痛快。主人公もただの一般人ではなく、鬼の末裔という特殊な能力があるのを冒頭から明示されているのも面白いです。

 

ボケとツッコミが常に入れ替わり続ける「笑い飯」のような漫才をしつつも、主人公やヒロインがキメるところはキメてくれる安心感があって流石です。今作も主要人物がそれぞれ活躍するような展開になっているのも個性豊かで楽しいですね。早速問題だらけになっている生活ですが、今後はどんな風に立ち回っていくのか期待です。

 

 

『クローンズ・ボール・パレード』 第1~2話

週刊少年ジャンプ(11) 2021年 3/1 号 [雑誌]

 

主人公は白凰学院という甲子園常勝の強豪高校への入部を目指して日々努力してきた少年です。彼は2年間の地道なトレーニングと徹底された他選手のデータ分析を武器に入部試験に望みます。そこで出会った無名のキャッチャーと協力し、練習試合のチームを勝利に導くなどの活躍を見せますが結果は不合格。データを駆使するキャッチャーの主人公とひたすら真っ直ぐなピッチャーが最強チームを作る! という話です。

 

それぞれの個性を生かしたピッチャーとキャッチャーが手を組むというのは王道ながら良い展開です。劣勢からの反撃というカタルシスを与えつつ、敢えてもう一度突き落とすというジェットコースターのような1話でした。データキャラ兼そこそこのプレイヤーというのに欠点の薄さを多少感じましたが、器用貧乏な主人公像を目指しているのかなと思っています。

 

作品自体は結構好きなのですが、目新しさは今のところ無い感じもします。3話以降に登場するであろうチームメイトによって流れが決まるかも。タイトルのクーロン=九龍からして、ツギハギ凸凹の個性的な面々が揃いそうで楽しみです。スポーツ漫画で生き残るのが難しい昨今のジャンプですが、今後はどうなっていくのか。

 

 

『アンデッドアンラック』 第48~52話

週刊少年ジャンプ(12) 2021年 3/8 号 [雑誌]

 

安野雲先生の機転により、間一髪で「不可視」からの暗殺を逃れた風子。そこにUMA「オータム」の討伐戦も交わって大乱戦に。はじめは敵対していた「不治」のリップとラトラでしたが、リップの肉体を安野雲先生の秘策で元に戻したことで共闘を決意。アンディ、風子、リップたちの全員で「オータム」討伐に向かう流れになって……という展開でした。

 

気づけば1周年!! 「不死」と「不運」という扱いがやや難しいテーマを用いつつも、インフレにならないように展開されているのが凄い! 大きなスケールの内容を扱っていますが、否定者たちの境遇など一人ひとりのドラマもしっかり描かれているので感情移入もしやすいのも上手いです。

 

そして、1周年で綺麗にUMA「オータム」の討伐が完了する流れも美しかったです。不死や見えない系のネタに涙腺をすぐやられるタイプなので、今回も例に漏れずウルウルしてしまいました。安野雲先生もどこかで救われて欲しいな。今後はリップたちがダークヒーローのような形で立ち回っていくんでしょうかね。そのまま味方にはならなさそうだけど……。

 

 

『呪術廻戦』 第136~139話

呪術廻戦 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

渋谷事変も遂に佳境へ。偽夏油の真の目的が明かされ、術式の遠隔操作や呪霊たちの開放によって世界は混沌の時代を迎えました。そんな中で暗躍し始めた乙骨憂太、彼の元に下された命令とは……。そして、禪院家では禪院直哉、扇、甚壱の兄弟らを巻き込んだ大きな問題が起きていました。場面変わって、虎杖は脹相と共に呪霊狩りを続けていたところにとある人物が現れ……という展開。

 

渋谷事変で色々ありましたが、どうにかなるかと思いきやこの展開。序盤で主人公が死ぬという衝撃展開を見せていた本作らしい、全く読めない状態になってしまいました。まだ現状が把握できていない陣営もかなり多くて気になることばかりです。あと、虎杖と脹相が一緒に行動するとは思っていなかったので、かなりびっくりしました。

 

そして遂に登場した、もう一人の主人公「乙骨憂太」。彼については『呪術廻戦0』を読めばどんな人物か分かると思います。当時よりも更に闇を抱えている雰囲気になりましたが、乙骨くんの登場が物語全体をどの様に揺らがせるのかが気になって夜しか眠れません! 現状の展開だと難しいかもしれませんが、2人の主人公が共闘する姿が見られたら最高ですね。個人的に乙骨くんは最推し (同率でミゲル) のキャラクターなので、活躍が楽しみです。あまり活躍すると主人公が碌でもない目に遭いそうだけど。

 

『ぼくらの血盟』 第18話 (最終話)

ぼくらの血盟 2 (ジャンプコミックス)

 

吸血鬼の兄弟よる共存を目指す物語が打ち切りになってしまいました。少女の友達を死なせ、少女自身も半吸血獣にした吸血鬼 廻峯への処分を前に姿を消した兄弟。彼らは無事に廻峯の元へと戻り、二人の兄弟は彼にも救いの手を差し伸べました。そして、彼らの日々はまだ続いていく……という終わり。

 

吸血鬼と人間の兄弟が紡ぐ、共存の物語でした。終わり方としては「えっ!? ここで終わるの!?」と思うような流れだったので、やや消化不良気味。1話の展開は好きだったのですが、2話以降から緩やかに展開が進むのが気になってしまいました。両親を殺した吸血鬼の情報も中々出てこないので、結局正体が分からず仕舞いだったのも勿体なかったです。

 

ただ、実は人間のお兄さんも強いという部分は意外でかっこよかったです。キャラクターもそれぞれ個性があったので、もっと早めに各陣営の活躍が見たかったなあと思いました。別作品でも良いので、今回ちょっとしか活躍していないキャラたちの戦いなどを見たいなーと思ったり。

 

かかずかず先生、本当にお疲れ様でした!

 

 

 

今回は新連載が多かったです!! また賑やかになって嬉しい限り。今後の盛り上がりも楽しみにしつつ、長期連載に繋がる作品が少しでも増えてもらえればなと思っています。『ビルドキング』が早速最後尾にいたりして打ち切りが怖いですね。それではまた次回。