ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

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【ネタバレ無し感想】『逆転検事』は「最後まで遊ぶこと」で輝く良作だと胸を張って伝えたい

去年の末くらいからチマチマ遊んでいた逆転裁判シリーズですが、ようやく逆転検事の1作目をクリアしました。もうすぐ大逆転裁判シリーズの移植版が出てしまうので、ちょいと駆け足気味にシリーズを遊んでます。残るは逆転検事2逆転裁判4以降なんですが、間に合わないかも。

 

逆転検事(通常版)

 

ということで逆転検事のクリア後ネタバレ控えめ感想です。本編シリーズ3作目までのネタバレ無し感想は以下にまとめておいたので、どうぞよしなに。

 

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国際警察に怪盗! 個性的なメインキャラクターたち

逆転検事 オリジナル・サウンドトラック

 

なんと本作は御剣検事が主人公! ゲーム性もガラッと変わったのかと少し身構えましたが突きつけやゆさぶりシステムはそのままで「ロジック」が追加されたり、探索の方式が変わった程度なので入りやすい作品です。作品としての目新しさはちょっと少ないですが、ロジックはちゃんと推理しないといけないので頭を使います。

 

映像面では、ロックマンエグゼのようにドットの2Dキャラクターがメインとなるので、逆転裁判本編の構図に慣れていると違和感を感じるかもしれません。その代わり、裁判所や検事局の中などが立体的見ることが出来るので普段とは違った楽しさがありました。

 

また、狼 (ロウ) やシーナ、「ヤタガラス」を名乗る少女の美雲を初めとした新たなメインキャラクターたちはかなり個性的で良かったです。あと何だかんだで御剣を信頼している冥ちゃんが可愛かった。過去冥ちゃんも登場するので、冥ちゃんファン必見です!

 

新キャラクターでは、国際警察の狼が本当に良いキャラでした。一見するとぶっきらぼうで攻撃的、冷酷なのかと思いきや身内には優しい。やたら古語で律しようとするのもちょっと面白かったし、心の中で御剣検事がツッコミを入れる漫才感も良かったです。そして、狼のような鋭い牙を持ち合わせた熱さがあるのも素敵。

 

どうやら美雲ちゃんは次回作の逆転検事2で続投するようですが、狼はどうなんだろうか。どちらも本編に登場してほしいくらい個性的なキャラクターでした。

 

 

シリーズ特有の怒涛さと「ピンチ感」はやや控えめ

 

逆に、犯人や容疑者は本編と比較するとやや控えめに感じました。追い詰められたときの豹変などがやや控えめでインパクトが薄めだったのが少し残念。あと、何話か似た展開が続いた感じがあったのも勿体なく感じました。御剣検事すぐ気絶させられすぎ問題。

 

ストーリー上のテンポも本編よりやや悪かったかも。逆裁シリーズ特有の「細けえことは気にすんな!! 怒涛の展開と反撃で押し切るぜ!!」という物凄い熱量とカタルシスが弱めに感じました。整合性は取れているのですが「ありがちなミステリー作品」といった話もあって、逆裁じゃないと出来ない展開って感じはせず。

 

何より本作は御剣検事のピンチ感が薄いんですよ。最終話までは犯人に逃げ切られそうになるシーンが少なくて、展開がもったりしていた印象ですね。刑事モノらしくジワジワ追い詰めていくところは好きなのですが、それとは別のジェットコースター感がないというか……。

 

折角のピンチも「タメ」のシーンが短いせいか、ピンチ→逆転!の下りがやや雑に何度も展開されていることがありました。イマイチ気持ちが乗り切れないまま終わる場面もあってちょっと残念。ずっとピンチだと天才検事感が薄れてしまうのもわかりますが、もう少し1つの話での緩急が欲しかったです。

 

ぶっちゃけると、最終話前までの展開は「可もなく不可もなく」でした。前述の通り、ちょっとばかし爽快感に欠ける感じは拭えず。そもそも全体が面白かった逆転裁判』というシリーズのハードルが高くなり過ぎてしまった感じがありますね。

 

 

逆裁らしい」最終話と問われる「法の力と限界」

逆転検事 PREMIUM EDITION(オリジナルデザイン「ニンテンドーDSi」同梱)【メーカー生産終了】

 

ただ物語の総括である最終話は真犯人や登場人物に至るまで、かなり個性的で楽しかったです。シリーズ特有の二転三転する事件の状況、次々と現れる証人に現場を駆けずり回って証拠をかき集める必死さなど、正しく本作に求めていたものが出てきた感じ。シリーズでお馴染みの顔ぶれも揃うので、1〜3までの作品の総括としても楽しめました。最後のテーマであった「法の力」と「法の限界」が舞台を含めて上手く表現されていて大満足!

 

本作のラスボスは逆転裁判 蘇る逆転の5話を彷彿とさせるしぶとさで、御剣検事の宿敵として君臨するに相応しい敵。色んな意味で厄介な人でしたね。最終話の何が良かったかというと、ちゃんと主人公サイドがギリギリまで追い詰められるんですよ!! 絶体絶命のピンチからの逆転! これがシリーズの醍醐味だと思っていたので、ちゃんとそのシーソーゲームを楽しむことができて良かったです。

 

本作の最終話はシリーズで大切にされてきた「点が線となる」という快感よりも、「複雑に絡み合った線を一つずつ紐解いていく」快感が大きかったように感じます。ここは外伝としての新たな挑戦で素晴らしかったです。検事と刑事が協力して一歩ずつ前進するように、謎を一つずつ解き明かして真の答えが見えてくるのはかなり爽快でした。意外な場面で活躍する証拠品などのエッセンスもありつつ、最後はキッチリ締めてくれたのが良かった。

 

「法の力と限界」についてはひとまずの結論が出ましたが、完全決着はついていない感じでしたね。この辺りは逆転検事2で拾われる要素と噂で聞いているので、そちらも楽しみです。

 

最後のシーンも良かったです。わかる人にはわかると思いますが、時や人を超えて展開された本作を総括するエモいラストシーンだったと思います。毎度のことながら、ラストシーンがグッとくるのも良いところです。

 

 

何やかんや不満点も少なくないですが、逆転裁判シリーズの外伝! といった本作。何よりも御剣検事の活躍を存分に楽しめるのが最高でした。裁判までに証拠集めで奔走していた成歩堂弁護士に対し、現場を駆け回ってその場でロジックを組み立てる御剣検事。御剣検事なりの正義と優しさが垣間見えた本作は、最後まで遊ぶことでその真実がより輝く良作だと思いました。次回作も楽しみだ!!