ヤンヤンつけボーの粉は残りがち

ゲームやYouTube、漫画・特撮が好きな人のブログ。ゲームの話題がほとんどです。

仄見える怪異と建築の終わり!! お菓子と青春の物語も動き出す!!【そして時は動き出す㉒ (2021年18号~23号)】

 毎年のことながら、6月を超えた辺りから加速度的に日の進みが早くなるように感じます。多分気の持ちようなのでしょうが、老いが早くなる感覚はちょっと嫌ですよね。

 

それはさておき、本連載記事もいよいよ次回で一区切りになりそうです。ここまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。完全に終了ではないのですが、とりあえず過去分は消化し終えそうで何よりといった感じ。今後については、また次回お知らせします。

 

それでは今週分の感想です。前回までの流れは以下からどうぞ。

yanyantukeboono.hatenablog.com

 

今週は2021年18~23号までの5号分の感想です! (19~20、23号の表紙は感想のところにあります) ! 今回は新たな風をもたらす新連載が2本も登場しますよ!

 

少年ジャンプ(18) 2021年 4/19 号 [雑誌]

週刊少年ジャンプ(21・22) 2021年 5/10・17合併号 [雑誌]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アオのハコ』 第1~4話

週刊少年ジャンプ(19) 2021年 4/26 号 [雑誌]

 

 主人公はバドミントン部に所属する高校1年生の少年。彼が密かに気になっているのは、中学の頃から朝練で見かけていた女子バスケ部の先輩。ですが、彼女は雑誌に取り上げられるほどの人気者です。主人公はひょんなことから、憧れの先輩との同居生活をすることになって……という青春部活ラブストーリー新連載です。

 

ジャンプで少女漫画が始まった!! と思ったら、以前読み切りで本誌に掲載されていた作品でした。少年誌ながら少女漫画チックな作品が連載になるというのは珍しい感じがありますね。とはいえ、少女漫画でも少年漫画のような主人公が登場する俺物語!!のような前例もありますので無問題。

 

ただ、読み切り版では二人の恋愛が成就して綺麗に収まっていた作品なんですよね。それ故に、恋愛ゲームをクリア後にリセットして別ルートに向かったときのような何ともいえなさがあるのも事実。でも二人の甘酸っぱい距離感を毎週楽しめるようになったのは、ちょっと楽しみでもあります。複雑な気持ち!

 

現状だと恋愛成就が大目標で、そこへ互いにインターハイを目指すというのがもう一つの目標になりそうです。どちらの描写もゆっくりめなのですが、そもそもジャンプの基本スタイルとはかなり違うのでどう評価されるかが読めません。果たして、少女漫画的アプローチは少年誌でも通用するのか。期待です。

 

『アメノフル』 第1~3話

週刊少年ジャンプ(20) 2021年 5/3 号 [雑誌]

 

ある日売り出された「トイトイキャンディ」というお菓子。それを食べた者はお菓子を生み出せる異能力に覚醒する事象が発生。そして、東京はペロペロキャンディーを生み出すある1人の能力者によって壊滅しました。自らもペロペロキャンディーの能力を持つ主人公の女子高生は能力を隠しながら生きていましたが、そこにお菓子犯罪者たちが現れて……という展開の新連載です。

 

こちらは女子高生が主人公のスイートバトルコメディです。1話目の雰囲気は比較的王道ながら熱い、主人公が覚悟を決めて立ち向かう展開でした。ただ何というか……今のところはあまりグッと来てないという感じもあったり。主人公が戦う動機となるような「危機感」が薄めだったからかな。

 

ギャグのノリが独特なので、肌に合うかどうかで評価は大きく変わるかも。個人的には、ギャグ演出で内容が間延びしてしまい、全体的に展開がのっぺりしている印象があります。あと普段は作画をあまり気にしないのですが、顔のサイズに違和感がありました。全体的に顔のサイズが均一なので、子供の身体に対して顔が大きかったりするのが原因ですかね。でも、キャラクターたちの表情が豊かで可愛らしいなと思います。

 

それと、これから気になるのは似たお菓子の能力をどう差別化していくかです。例えば、アイスは相手に纏わり付く粘度の高い氷で、シャーベットは周囲の瞬間冷凍能力があるとか。同じお菓子の能力だと、『ワンピース』のビッグ・マム周辺の能力者が該当しているので、本作独自の個性をどう出していくのか楽しみです。

 

 

『逃げ上手の若君』 第11~15話

週刊少年ジャンプ(23) 2021年 5/24 号 [雑誌]

 

逃走術と弓術を活かして見事小笠原を追い払った長寿丸=時行。しかし、小笠原は帝の綸旨を利用して彼らの領地を奪おうと画策してきました。時行たちの新たな任務は、「盗人を仲間に引き入れ、綸旨を盗み出す」こと。小笠原という難敵に加え、目に見えるものしか信じない盗人「風間玄蕃」に時行は……という展開。

 

連載時から面白さが続いている本作ですが、今のところは安定して人気が取れているようで安心です。定期的に箸休めのギャグ展開を挟みながらも、本筋からは大きく逸れずにハイペースで進む感じが楽しいです。小笠原などのクセ強の敵から技をラーニングして強くなる展開も、危機と修行が一体化していて良かったですよね。ただ敵も味方もクセが凄いので、読む人は選ぶかもしれません。個人的には好きなタイプの漫画です。あと、時代背景説明が地味にタメになるし面白い。

 

諏訪頼重が良いキャラで、当時と現在の価値観の違いや現代戦術の話題を予言という形で拾うことで面白くフォローしているのが上手いです。個人的には現代との動物への扱いの違いを危惧する下りや、戦術名への言及が面白かった。ちょっと変人だけど頼れる大人キャラは松井先生の得意分野といった感じで凄く魅力的です。脱兎の如く逃げ回る若君は、怪物じみた強さを誇る武士をいかに脅かすのかが楽しみですね。

 

 

『呪術廻戦』 第145~147話

呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

「死滅回游」と偽夏油の目的を探るため天元様の元に向かった虎杖一行。彼らが天元様から偽夏油の真意を告げられます。そして、そこで得た一行の新たな目標と「死滅回游」の目的とは。一方で、パンダを巡って相対する夜蛾学長と楽巌寺学長。彼らの対峙がもたらすものとは……という展開。

 

ついに幕を開く「死滅回游」ですが、中々にルールが難しい印象があります。とりあえずは、術式使用者たちによる殺し合いっぽいですね。互いの潰し合いを避けつつ、解決を目指す方法が何やらあるようですが、どんな形で立ち回っていくことになるのか。そして、新たな目標になる対象は敵となるか味方となるのか。気になることばかりです。 あと、どう見てもケンコバっぽいお笑い芸人が出てきて笑っちゃいました。何だかんだで優しい先輩っぽいので、死滅回游に巻き込まれて死んだりしないで欲しいなあ。

 

それと今回の流れで託された「呪い」は託した側と託された側が背負う業なのか、それとも強者である友に託した願いだったのか、もしくはその両方なのかも気になるところ。どちらにせよ、託された側が責務をいかに全うするかが気になります。

 

ドクターストーン』 第191~195話

Dr.STONE 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

白熱するスタン・リーとの攻防。戦いは捕虜となった仲間たちの元にも波及していきます。絶体絶命の危機に千空が取った行動とは。そして、戦いはメデューサや各地に散らばった千空の仲間たち、WHYマンすら巻き込んだとんでもない結末を迎えて……という展開。

 

VSスタン・リーもとりあえずの決着を迎えました。戦闘中のとあるシーンでは、思わず声が出そうになるほどエグいシーンもあって結構ビビりました。そして、あまりにも鮮やかな決着に震えました。ここでそこに行き着くのかぁ……あの展開は上手く出来過ぎていて、思わず感動してしまいました。何気なくバラ撒いて見せた伏線を拾うのがあまりに上手い。今回の展開は本当に尊敬する出来でした。

 

あと、ここに来て「科学」というものの功罪を一度問うて来たのがまた良くて。同じ人間同士であっても、その技術をどう使うのかは1つではない。なので、人々が一致団結していくのは非常に難しいんだなあと改めて感じました。今までは比較的仲良く出来ていた分、余計に互いが相容れないのが苦しかった。新たな展開を迎えてしまったストーンワールド。その中で、あの人が一生懸命頑張る姿に涙がウルウルしています。気持ちは完全に親戚のおじさん。どうか努力が芽吹いて欲しい。

 

 

『仄見える少年』 第30話 (最終話)

仄見える少年 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

人形遣い」との戦いがクライマックスに。過去の失敗から隠形鬼の召喚を恐れていた伊織でしたが、自らの過去と向き合い力を制御する覚悟を決めました。果たして、隠形鬼を制御して「人形遣い」を打ち倒すことは出来るのか! そして、千手童子との戦いの行方は……という展開で最終回を迎えました。

 

ここ最近の連載で気に入っていた本作も、ついに打ち切りに。単行本が売れてるっぽいので、まだいけるかと思ったんだけど……。読み切りのときから「この作品は化けそうだ!」と思っていたのですが、化ける前に終了したのはちょっと残念。今の本誌では、怪異ホラー系で人気を獲得していくのが難しいのかなぁ。

 

本作はテンポ感がもう少し良ければ、長期連載でいけたんじゃないかと個人的には思います。それ故に、途中の展開が本当に勿体なかったなと思っていて。千手童子登場辺りからの展開の遅さが、かなり致命的な感じがしました。1つの事件の解決までが徐々に長くなっていったので、序盤の1~3話程度での事件発生~決着の流れの方が心地よかったなと思います。メインである千手童子編自体が長いのは良いのですが、その手下くらいはサクサク倒して欲しかった。

 

これは連載中の『灼熱のニライカナイなどでも見られるのですが、序盤から主人公の負け展開を見せすぎているのが気になります。新連載の主人公と読者は「初めましての関係」なので、彼らへの信頼ができる前にどんどん苦戦を見せられると萎えてしまうというか。出来るだけ、ピンチ!→反撃! を短いスパンで繰返し楽しみたいのが今の読者心理なんじゃないかなと思います。この点がチェンソーマン』鬼滅の刃などはサイクルが早めだった感じがあります。

 

 

『ビルドキング』 第19~20話

BUILD KING 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

ついに判明するとんかちとレンガのビガー。ビガーの覚醒を始める彼らと、それを追うサタンヒルズとの戦いが続いています。数々のビルダーがその力を発揮し、サタンヒルズに応戦する中、「屋獣」こと「ツーバイフォー」の真実が明かされます。そして、敵との戦いの中で窮地に陥ったとんかち兄弟を救ったのは……という展開で最終回を迎えました。

 

しまぶー先生の新作も打ち切りに。個人的には『世紀末リーダー伝たけし』『トリコ』での特徴であり、良い点であった「設定のわかりやすさ」が本作では欠けていた感じがあります。特に『トリコ』では、序盤は「理想のフルコースを作る=食材を狩る旅に出る」というシンプルな構図でどんどん進む感じがウケたんだと思います。本作でも物件作成の依頼を受けてはこなしていく様子が見たかったのですが、家以外でのバトル要素や説明が多くてテンポが悪かったように感じます。

 

あとは、連載開始時にも書いたような『トリコ』の二番煎じ感がある敵が多かったのも気になりました。家を纏う屋賊やサタンヒルズ、屋獣に思い切って舵を切ってくれた方が、個人的には楽しめたかなと思います。特に家がロボットみたいになっているのはかなり好きだったので、もう少しそっちの敵を見たかった。

 

ラスト周辺では、難解な設定や覚えきれない新キャラ、選抜試験と、打ち切りになりやすい要素の詰め合わせになっていたのも気になった部分ですね。ラスト周辺で明かされた兄弟二人のビガーや「ツーバイフォー」の正体は王道ながら好きな設定だったので、もう少し早く明かして欲しかったです。一応3巻は9月に発売とのことで、そこでキチンとした完結は見られるのかなと思います。

 

 

 

というわけで、今週は新連載が2本追加! 段々と面白くなってきた『クーロンズ・ボール・パレード』ですが、早くも掲載順最下位で心配です。本連載記事も次回で一区切りになりそうです。今後の展開は次回にまとめて報告する予定ですので、最後までお付き合い頂けると幸いです。それでは、また次回。