予定より約1週間遅れで更新Death。夏の暑さとワクワクチンチンにやられておりました。週刊連載から月刊連載になれば楽になるかと思ったけど、むしろ怠け癖が出て遅くなったのは完全にミスでしたね! すみません!! 皆さんも水分補給や適度な睡眠を忘れずに、無理せず頑張ってください。
それでは今月分の感想です。前回までの流れは以下からどうぞ。
yanyantukeboono.hatenablog.com
今週は2021年29~33・34号までの5号分の感想です! (30~32号の表紙は感想のところにあります) ! 今回は連載終了ラッシュと新連載が登場! あの読切作品が本誌連載デビューしましたよ!
『レッドフード』 第1~4話
以前も読切で本誌に掲載された金未来杯のグランプリ作品です。物語としては、「狩人」と呼ばれる者たちは「人狼」や「魔女」などの驚異から人々を守るために、様々な武器を駆使して戦うというもの。そして、彼らが御伽噺話の存在になるまで戦い続けた記録というものです。1話の展開は読切版よりも戦闘描写の派手さマシマシ、主人公の戦う動機も明確になって活躍もしっかりあり満足感のある感じでした! 個人的には、敵である人狼が個性的な性格なのも良いです。
続く数話ではやや説明調が多めですが、展開に影響するほどではないので問題は無いかな。とりあえず4話までは人狼との村での戦いが描かれており、ここから更に展開が続きそうな感じです。現状ではメインキャラがベローとグリムくらいなので、今後出るであろう「狩人組合」の面々が気になりますね。
今の所、作品としての目新しさはあまりないのが少し気になります。ただ戦闘描写がド派手で格好良いので、そこが今後もドカンと決まってくれたら盛り上がっていきそう。あと、グリムとベローがかわいい。
『NERU (ネル)』 第1~3話
絵のタッチはどことなく懐かしいテイストがあって、どこかで見た覚えのあるタッチな気もします。『ぬらりひょんの孫』っぽい絵のタッチなのかな。1話のあらすじとしては、孤独に武芸を鍛え続けていた少年がとあるきっかけで同じ道を志す者たちと切磋琢磨する日々に導かれていくというもの。主人公は明るくポップな戦闘狂って感じで、実に少年漫画らしい感じがしました。
『レッドフード』もそうでしたが、今回の新連載はどちらもダイナミックでキレのある戦闘描写が魅力的ですね。剣戟の撃ち合いのシーンがすごく勢いが良くてカッコよかったです。あと、背景などの書き込みがめちゃくちゃきれい! なんと表現すべきか分かりませんが、独特の色気がある絵柄だなと思いました。
1話時点ではスポーツもの? バトルもの? といったところがちょっと分かりにくかったようにも感じました。ただ、2話以降の展開を見ると武芸版『グラップラー刃牙』であったり、『タカヤ -閃武学園激闘伝-』の路線変更前みたいな青春格闘モノだと捉えて良さそうかな。ジャンル的には中々に厳しい戦いになりやすいスポーツ系ですが、是非続いて欲しいところです!
『アオのハコ』 第10~14話
本作の良いところは、少年も少女も感情移入しやすいところじゃないでしょうか。男の子は主人公の大喜の視点から、女の子は先輩である夏希先輩の視点からも青春を追体験できる面白い構造になっているように感じます。
他にも淡い恋心を抱きながらも表に出さない友人たちや、恋のライバルかと思いきや良き兄貴分である先輩など、多種多様な事情を抱える登場人物の関係性を繊細に描いているので感情移入する先が多いのも良いです。今後話が進んだら、先輩とその彼女さんや友人とかの恋愛事情も徐々に描かれていきそうで楽しみ!
あと本作は『俺物語』や『君に届け』を読んでいたときのような、いじらしくも楽しい関係性を楽しめるところが良いですね。お互いに気がありそうだけど攻めあぐねている、この青春の一番甘酸っぱい部分を謳歌出来るのが青春作品の良いところや……。
先程あげた2作品にも通ずるところがあるのですが、本作の大きな特徴として「嫌な性格の登場人物がいない」というのがある気がします。これは昨今の作品における特徴でもあるのですがそこは置いておいて、友人や先輩などもみんな良い人で絶妙に二人の後押しをしてくれる。そんな青春の爽やかな人間関係が心地よいです。更に、部活で熱く汗を流す描写がまさしく「アオハル」といったところ! こんな青春送りたかったな!!
『破壊神マグちゃん』 第48~52話
破壊神であるマグちゃんを始めとした個性豊かな邪神たちと流々ちゃんたち田舎の人々が織りなすハートフル邪神コメディが1周年を迎えました! めでたい!!
殺伐としたバトル展開がメインになることが多いジャンプ作品の中で、ぽけ~っとゆるく読める本作は良いポディションにいると思ってます。なんといっても、マグちゃんがとにかくカワイイ! 恐らく元ネタであるクトゥルフとかヨグ=ソトースから冒涜的な要素がオミットされた絶妙にチャーミングな姿となっています。そして怖い言動をする割には、意外と人類に優しい所も元ネタと違って愛着が湧きます。
個人的な懸念点といえば、理由があれどもミュスカーに顔があるのがしっくり来なくて。元ネタであるハスター様の顔が漆黒に包まれていたり、冒涜的な異形さだったりするのがチャーミングで大好きなので……。とモニョモニョなっていたのですが、今回の最新号 (33・34号) での展開ですべてを許しました。ミュスカーかわいい。まあ元ネタの邪神様たちにとっては、そもそも姿なんてあってないようなものなのですが。
『僕とロボコ』 第46~50話
ある日突然やってきたOM (オーダーメイド) のロボコが様々な事件を巻き起こすギャグ漫画が連載1周年となりました! こちらもおめでたい!! 上記の『アオのハコ』のところでも書きましたが、本作も露骨に嫌なやつがメインキャラで出てこないのが特徴的なです。みんな爽やかで優しいところが、読んでいてほっこりする部分でもあります。
ただ優しいのでギャグが薄まっているかというとそんなことはなく、ちゃんと欲望に従った行動で痛い目を見る等 (主にロボコが) のオチがあるのが面白いです。優しくて反省もするが欲望には忠実なのが実に人間らしくて、登場人物たちに共感できるのですよ。
そして本作といえばなんといってもパロディネタ! ジャンプのパロディが本当に細かくて、『幽遊白書』や『スラムダンク』から最新の新連載まで至るところまでネタにしているところに愛を感じます。「ラブリーゴーストライター」とか「獄門彊」、「ガオン砲」など、原作をちゃんと読んでいないと分からないチョイスをするところも好き。あと、ラインスレスレの時事ネタや編集部ブラックネタをぶっこんでくる所も好きです。
全然関係ないけど、「円ちゅわん」って元々は普通に「円ちゃん」って呼ばれてたんですね。「円ちゅわ~~ん」が本名なのかと思ってた……。
『灼熱のニライカナイ』 第47話 (最終話)
『べるぜバブ』でお馴染み田村先生の沖縄の伝承である「ニライカナイ」をテーマにしたハードボイルドコメディでしたが打ち切りに。
以前も描きましたが、ハードボイルドコメディ作品ながらも設定面や展開がかなり重かったのがネックだったかなと思います。全体的に主人公である鮫島やオルフェウスが苦戦する展開がやや長くて、スカッとしにくかったのが気になりました。物語の中盤あたりでの助走であれば耐えられたと思うのですが、主人公が「きっと勝ってくれる!」と読者が思う前に苦戦してたのが大きかったのかな。
※こちらで一度似た内容に言及してます。
yanyantukeboono.hatenablog.com
田村先生はシリアスな中でもクスリと笑ってしまうギャグ要素を入れるのが本当に上手な方だと思っています。なので個人的にはハードボイルドながらも、ラフに読める展開がもう少し続いて欲しかったなあというのが本音ですかね。正直、教団編は早めに区切って小出しにした方が読みやすかった気もします。あと鮫島がもっと自由奔放破天荒に暴れまわって場をかき乱してくれたら、シリアス路線も読みやすかったのかも。
でも、鮫島とオルフェの性格とかバディ感は本当に最高でキメるところはキメるカッコ良さが凄く良かったです。他にも、キャラの掛け合いとか、それぞれの描き分けがとかも大好きだっただけに少し残念。
田村隆平先生、本当にお疲れ様でした!!
『アイテルシー』 第20~21話 (最終話)
犯罪者に恋する元誘拐被害者 相生りさを始めとするi課が奔走するサスペンス作品が打ち切りに。『君を侵略せよ!』でお馴染み稲岡先生の作品ですね。本作は「犯罪者に恋をする」という設定の扱いが難しそうだなと思いました。まず、次の恋に向かうためには毎回犯罪者側に振られる必要があります。これが上手く展開しないと、ただの惚れやすいだけの女性という印象になってしまいます。次に、「恋する刑事」というクセに対して、バディの刑事も何らかの強い個性が欲しかったです。『魔人探偵脳噛ネウロ』の弥子ちゃんのように、やたら飯を食うとかの強めの個性があると良かったのかも。
あと問題解決がほとんど相生の活躍で収まってしまっていて、他のメインキャラが地味になってしまっていたのも勿体なかったです。相棒が考えなしに突っ込んでいく中で、相生が機転を利かせる (『相棒』でいうところの亀山くんの行動から右京さんが事件を解決させるような) 展開があった方がバディものっぽくなったのかな。
また相生の聖女の側面がフューチャーされる一方で、彼女の狂気的な面というかマイナスの側面があまり立っていないようにも感じました。いっそのこと、常に周りを巻き込んで危機に追い込むくらいの劇薬さがあっても良かったと個人的には思ったり。
主人公の一人が女性なのは全く問題ないのですが、相方のヒロイックな活躍が薄めでメイン層の男子が感情移入しにくかったのかもしれませんね。でも、本作の挑戦的な設定はすごく好きでした!
稲尾和久先生、本当にお疲れ様でした!!
『クーロンズ・ボール・パレード』 第18~20話 (最終話)
はみ出し者たちが集まった元強豪高校 黒龍山で個性豊かな面々が甲子園を目指す野球漫画でしたが、打ち切りになってしまいました。やはり今のジャンプでスポーツ系は長期連載まで生き残るのが難しいのかもしれない。
本作を見ていくとまず、序盤で仲間が一人ずつ加入していく展開はやや冗長だったように感じます。『ハイキュー!!』や『黒子のバスケ』、『アイシールド21』などでは、1巻の段階でライバルとの試合をするなど展開の早さが目立っていました。やはり早い段階でのライバルとの激突は物語を軌道に乗せるためにも必要なのかもしれませんね。
また黒龍山高校に入部させてしまって先輩などを加入メンバーとして出せば、展開に幅が出たのかもしれないとも思いました。『スラムダンク』は、流川やゴリなどの同チーム内でのライバルとの切磋琢磨が序盤の小目標となっていましたね。折角個性豊かな面々がいるのに、中々黒龍山高校に入部しないのが読者としては気になってしまいました。
登場人物たちに独特の可愛さがあったり、凸凹ながらも仲良しなメンバーたちの掛け合いは凄く楽しくてかなり期待していました。チームメイトみんなを活躍させよう! という雰囲気もあって、個人的にはかなり好きな作品だったので打ち切りが残念です。
鎌田幹康先生、福井あしび先生、本当にお疲れ様でした!!
というわけで、今月は3作品が終了して2作品が新連載となりました! 頂上決戦で盛り上がっている『マッシュル』や、毎話涙腺が緩んでしまう展開の『僕のヒーローアカデミア』、衝撃展開が続いている『アンデッドアンラック』など長期連載も盛り上がってきています! 更に次号は『呪術廻戦』も復帰するので楽しみですね!それではまた来月。次回は、8/29頃更新予定です!