続編というものは、生まれ持って厳しく評価されてしまうという宿命があります。1作目のプレッシャーを乗り越えて名作となるのか、はたまた迷作となるのかはそれぞれです。
例えるなら、『トイストーリー2』は1作目に引き続いて面白く、長寿シリーズとなっていったのに対して、『GO!GO! ガジェット2』は1作目と比べても目立って面白くも、つまらなくもない微妙な作品になってしまったように、シリーズの明暗がクッキリ分かれるものです (子どもの時は『GO!GO! ガジェット』が大好きだったんですけど、世の中での評価は低くて悲しい……)。
ということで、今回はあの名作『逆転裁判』シリーズの2作目である『逆転裁判2』のネタバレ無し感想を書いていきます。
記念すべき1作目である『逆転裁判 蘇る逆転』のネタバレ無し感想は前回書いてます。まだ読んでいない方は、こちらを読んでおくとより楽しめるかもしれません。
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基本的なゲーム内容は変わりませんが、今作から「人物の突きつけ」(前作は証拠品の突き付けのみ) と、相手が隠している嘘や秘密である「心理錠 (サイコ・ロック)」が追加されたことで以前よりも遊びや推理の幅がかなり広がった感じがあります。
この「サイコ・ロック」システムによって、探偵パートにも程よい緊張感と推理要素が生まれてかなりやり応えが出ています。証拠品などの情報収集→出来そうなサイコロック解除→情報収集→メインのサイコロック解除というループが良い感じにマンネリ化を防いでいるので、最後まで楽しく進められました。
内容的には無印よりも少しアラがある感じもしますが、全体的に前作よりも挑戦的な内容が多かった気がします。前作を踏襲したプレイヤーに対するひっかけが無数に取り入れられてるところも特徴で、難易度は圧倒的に上がった感じはあります。
ただ、前作よりも「そんなこと分かるわけないやろ!!」というトリックもあったりしました。ややトリックが雑というか無茶苦茶なものというか。トンデモ理論も逆転裁判シリーズの味わいの一つなんですが、個人的にはちょっとだけ納得しかねる部分がありました。
第3話!! お前のことやぞ!!
それはさておき、前作よりも更にクセの強いキャラクターが勢揃いしています。前作と比べると弁護する側のキャラクターが更に厄介もとい、ややこしいキャラクターになっています。前作でもあれだけクセが凄かったのに……!
新ライバル検事の狩魔 冥検事も、前作の御剣検事とは別ベクトルにキャラが濃くて魅力的です。本作は登場人物間の関係性が前作よりも掘り下げられるので、主要人物たちの新たな一面が見られるところも魅力の一つです。そして、きっとあなたもクリアする頃には冥検事の虜になるでしょう。
冥ちゃんカワイイヤッター!
本作全体を見ていくと、『逆転裁判2』は前作『逆転裁判』への「挑戦」と「逆転」がテーマであるように感じました。
本作は弁護士を主人公に据えるに当たって、前作よりも「依頼人は本当に信頼できるのか?」という至極真っ当な疑問にスポットが当てているのではないかと思います。これは全話に共通している部分で、被告人たちは前作よりも更に疑わしい行動を取り、サイコ・ロックも展開してきます。
これがナルホドくんの信条である「依頼人を信じ続ける」ことに大きな「ゆさぶり」をかけてきます。ある種、前作『逆転裁判』が最も大切にしてきていた部分に対する「逆転」の問いです。ナルホドくんとプレイヤーは一体どんな判断を下すのか、本当に依頼人は信じて良いのか。
その答えは、是非ご自身の目でお確かめ下さい。